第34回日本看護歴史学会学術集会は、本会では初めて四国・徳島市で開催されます。
これまでの33回にわたる歴史学会の内容と、学会が大事にしてきた視点を継承し、今回は「歴史から学ぶこれからの看護」と題して開催いたします。
歴史的史実は過去の歴史の中にありますが、それらを掘り起こすだけでなく、学問を構築する者としては、歴史から深く学び、それを近未来の看護のあり方やかたちとして、いかに活かすかという視点が問われると思います。
演者の方々にはその点を踏まえて、近未来の看護界に大きなインパクトを与えてくださるようお願いしました。他の学会では耳にすることができない斬新な講演をお聴きください。
2020年は、奇しくもナイチンゲール生誕200周年の記念すべき年にあたります。近代看護の創設者がその時、未来の国と人々に対して何を望み、何を託そうとしたのか、ナイチンゲールが抱いていた夢の知られざる側面を明らかにすることは、本学会のひとつの使命であろうと思います。開催校の徳島文理大学においては「ナイチンゲール展」を準備し、貴重な資料とともに、日ごろ接することのない展示物の数々をご披露いたします。特に「ナイチンゲール病棟の模型」は必見です。
さて、“徳島”といえば「阿波踊り」、そして文人「モラエス」が生きた地です。ヴェンセスラウ・デ・モラエスはポルトガル人ですが、徳島の女性と結婚し、生涯徳島を愛し、多くの文章を書き残しています。新田次郎氏とそのご子息の藤原正彦氏の共著『孤愁』で有名になりました。街にそびえる「眉山」に建てられたモラエスの銅像の脇からは、遠くに淡路島や紀伊半島が一望できます。モラエスの研究者・石川榮作先生のお話に耳を傾けてください。きっと、徳島という地が好きになることでしょう。
皆さま、どうぞご友人・知人をお誘いあわせのうえ、9月4日~5日には徳島にお越しください。心からお待ちしております。